まだまだ。。。です [日々のこと]

世の中には
いろんな人がいるのです
それは、わかっているつもりでいました

最近、凹みがちな私
娘のことや新しい借金や
いろんなことで

そして、そんなこんなをつい
電話をかけて
友達に愚痴ってしまいました

「それって。。。
 不幸なことなの?
 大切な存在が
 増えるってことだよね。
 どんなに大変だとしても
 それで借金が増えても
 かけがえのない命が
 二つも増えるってことだよね。
 それを不幸って
 私には思えないよ。」

友達はそう言いました

あっ。。。

その時、私は激しい自己嫌悪に
だって、その友達は
一人娘を亡くしていたのです

しかも。。。
高い高いビルから
飛び降り自殺

何とか助けてあげられなかったのか
そうやって、ずっと自分を責め続け
たぶん、今も生きているのです

あれから。。。その友達が
どんな思いで生きてきたのか
痛いほど知ってるはずの私が
こんな話をするなんて。。。

彼女からしてみれば
私の話は、不幸どころか
幸せ自慢にすら
聞こえたことでしょう

だって。。。

友達は、あんなに大切にしてきた我が子のために
今は。。。手を合わせることしかできないのです
親として、こんなに切ないことはありません
なのに私は。。。
何てことを愚痴っていたのでしょう

私のばか野郎!!!

幸せの形は
人それぞれ違います

改めて。。。
幸せについて考え直しました

そうですね。。。

不幸なことだと思えば
何もかもが不幸であり
ただそれは、同時に幸せにもなりえる

その幸せのためなら
苦労すら楽しい
そんなことだってあるかもしれない

ちょっと、前向きになれた気がしました

もしかしたら、友達は
私にそのことを気付かせるために
わざとそんなことを言ってくれたのかもしれないですね

頑張れるだけ、頑張らなくちゃと思いました

私は人間としても
母親としても
まだまだです

本当に。。。
まだまだです

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青天の霹靂 [日々のこと]

さて。。。
どこから話せばいいものか

私には、娘が一人いる

家は、決して裕福な家庭ではない
だんな様のお店は、いつも自転車操業
生活は苦しかったけれど
それでもいいと思うようにしていた

それは。。。
41歳の時、だんな様が胃癌になってしまったから

幸い、手術が成功して
今も元気にしてくれている
あれから随分経ったけれど
あの日から。。。
ただ、生きていてくれるだけで
他の贅沢は望まないって
心に決めたんだ

でも、娘の夢は
叶えてあげたかった
一人娘で、頼る兄弟もいない
私たち夫婦がいなくなっても
困らない様に。。。
ずっと金策ばかりしてきた私は
その想いが人より少し
強かったのかもしれない

だから、中学生のころ
娘が看護師になりたいと言ったとき
私は嬉しかった
看護師さんは大変な仕事だ
けれど。。。
ずっと医療関係の仕事をしている
私にしてみれば
安定した就職にも困らない
やりがいのある仕事に思えていたから

高校生の時もその夢を持ち続けていた娘は
卒業後。。。
学校推薦をもらって看護学校へ行った
充分な学費も用意してあげられなかったから
奨学金をもらうことにした
近くの病院に卒業後。。。
3年間、看護師として働けば
返済が免除になるタイプの奨学金だった

今年、娘は成人式を迎えた
20歳。。。
そして、学校の方も無事3年生に進級でき
私は、本当に。。。本当に。。。
ほっとしたんだ

結婚後、いつもいつも
お金の苦労ばかりしてきた
でもなんとか
娘だけは無事に育てたって
そんなふうに思って

実習、実習の毎日
娘は大変そうだったけれど
これを乗り越えれば
きっと、光に溢れた未来が
娘の前には広がるはずだった
そう思っていた

ほんの。。。
ほんの2か月前までは

5月の連休が終わってすぐの頃
その娘が。。。
彼氏を連れて家へ帰ってきた

話があるのだという。。。

嫌な予感がした
嫌な予感というのは
残念ながら、いつも大抵
当たってしまう

宝くじはいつまでたっても
当たらないのにね

案の定。。。
子供が出来たのだと言う
産むことに決めたのだと言う
彼氏は痩せ気味の人当たりのいい男の子
22歳。。。
工場で、派遣社員をしているらしい

奨学金は、看護師になれなければ
一括返済をしなくてはならない
返済免除になるはずだったお金も
2人で何とかしてゆくつもりだと言う

何度も何度も
よく考えなさいと諭したが
娘が看護学校で得たものは
看護師資格ではなくて
命は何より優先されるべきだという
考え方だけだった

それもまた。。。真理

確かに大切なことだ
けれど、娘たちに経済力はない
しかも、出産となると
娘はしばらく働けない

大丈夫なの?
と私が言うと
大丈夫です。
とシレっと答える彼氏

そこには、誠実さは感じられるが
現実味はなかった
不安だった

しかたなく。。。
本当にしかたなく。。。
こんな人生もアリなのかもしれない
そう思うことにした
何より、娘が一番望んでいることなのだ

気持ちを切り替えなくては。。。

必死だった
今の状況での最善策を模索した

一年。。。
休学しても、学校を続けられないかと

その夢も、儚く散った
なんと。。。娘は双子をみごもっていたのだ

子供を一人育てるだけでも
大変なのに
奨学金の借金を負って
さらに双子を育ててゆく?

学校はもう、あきらめるほかはないだろう

それより。。。
娘は双子を育てるってことの意味を
本当にわかっているのだろうか?
私には、無謀なことのように思えた

だから。。。だから。。。
言いたくないことをたくさん言った
たくさんたくさん、言ってしまった

いろんな言葉を探して
精一杯、説得しようとした
けれど。。。
娘は揺るがない

私が娘を守ろうとするのと同じくらい
強い気持ちで
娘もその小さな二つの命を
守ろうとしているのだ

勝てるわけない。。。
何よりその命は
私にとっても、大切な孫たちなのだ

いろいろ、クリアしなければならない問題を
まだ、娘たちは抱えている
お金のことはもちろんだけれど
双子というハイリスクの出産を
受け入れてくれる病院は少なく
何件もまわった

それでも。。。娘は
今日、結婚届を出してきたのだ言う

娘の手には今
母子手帳が2冊ある

娘はもう。。。
母なのだ
頼りなくても世間知らずでも
紛れもなく母なのだ

あとは、生まれてくる子供たちが
娘をちゃんとした母に育ててくれるのだろう

私が娘に
育てられてきたように

お祝いを言わなくちゃいけない
おめでとうって言わなくちゃいけない
そう思っているけど

私の子育ては
中途半端のまま
終わってしまった気がして

まだ、現実が受け入れられなくて
ため息ばかりついてしまう

夢は、看護師さんだった

でも、おかあさんになる
しかも、いきなり二人の子持ち

だんなさんは契約社員で
時給で働く22歳

何百万もの借金をかかえて
妻と子供二人を食べさせ
生きていく道を選んだ
勇敢な若者だ

本当に大丈夫なのか。。。

不安ばかり。。。不安ばかり

私はやっと、再就職が決まって
今は、国立病院の受付の仕事をしている
こちらも時給で、大して儲からないけれど
私はもう、歳だから
働ける場所があるだけで有難いと思わなくちゃ

何にしても
2015年は、私にとっては
分岐点なんだろうね

心に力が入らない

だって、ほんの二ヶ月前までは
私の前には、まったく別の未来があって
そこで私はのほほんと
暮らしているんだと思ってたんだ

何が起こるかわからない
人生は。。。
どんでんがえしの連続だ

もう、私には変えられない未来を
今はただ。。。
受け入れていくしかない

娘は、母の顔をして
2冊の母子手帳を見ながら
微笑んでいた

母は強し。。。ということか
それとも。。。
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