お弔い [詩]

とんでもなく
。。。怖かっただろう
とてつもなく
。。。悔しかったろう
どれほど
。。。生きたかっただろうか

不意に病に襲われて
たった21歳で
未来行きの列車から
途中下車しなくちゃならないなんて

その苦しみは
どれほどのものだったのか

そう考えるだけで
心が震える

寒くて。。。
辛くて。。。

神様も本当に酷なことをする

だって、彼にしてみれば
命の終りは
世界の終りと同じだから

線香の煙で
白く煙った部屋の中

綺麗な顔をした彼がいた
死んでいるなんて思えない
まるで、眠っているようだ

もしかしたら本当に
ただ、眠っているだけなんじゃないの?

息も出来ないほど
深い深い眠り

だったら。。。今すぐ
誰か、彼を起こしてあげて!!!

悲鳴にも似た心の声を
理性が押し殺す

そんなこと
出来るはずもない
わかってるくせに。。。

そう。。。
わかってるよ
わかってるさ

彼の死を前に
泣きつくす両親がいた

まだ、若すぎる彼の死に
やり場のない怒りと
どうにも出来なかった
自分たちの無力さに打ちのめされながら
ただただ、泣くことしか出来ない
彼の両親

代われるものなら
代わってやりたかった

そんな心の叫びがが伝わってくるようだ

情けないことに私は
その深い悲しみに怖気づき
かける言葉が見つからない

わかってしまうから。。。

同じ。。。子を持つ親として
わかってしまうから。。。

苦しみや悲しみや切なさや
後悔や絶望や。。。怒り
そんな感情の入り混じった
あの泣き顔の意味を

そうだね。。。
親にしてみたら

あんなに若い息子の死を見るくらいなら
世界の終りを見るほうが
。。。まだマシだ

この世で味わうどんな苦しみよりも
深い苦しみを。。。
たぶん、今

あの人たちは
身にまとっている

あの涙は。。。
そういう涙だ

お葬式の日は
雨だった

若い彼の死を悼んで
空も泣いていた

涙雨だね。。。

荒れた時代を
長く生きてきた老婆が
静かな目をしてそう呟いた

たぶん彼女は
こんな涙を私達よりもっとたくさん
見てきたのだろう。。。
どうにも出来なかった死を。。。
見たくなかった死を。。。

雨が降り続く中
静かに彼は旅立っていった

その涙雨は
止むことがないようにさえ思えた
深く深く垂れ下がった
重たい雲から
いつまでもいつまでも
悲しみが溢れている

あまりに悲しい。。。
雨の中のお弔い。。。

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haru

りこさん、少しは気分が落ち着きましたか。
人間にはきっと底力があって、
時の流れが苦しみや哀しみから解き放してくれる
と、信じています。
私の様にムリに頑張ろうとしなくても
そんな時が、きっと来るのだろうなって。

私はどうしても焦って、その時を待っていられない。
なんとかしなくては、どうかしなくては、なんてね。
相変わらずのドタバタです。
でも、今は静かにその時を待っています。
by haru (2012-11-23 09:08) 

春待ち りこ

>haruさん
ご心配をおかけしております。
思いのほか。。。凹んでます。
何も書く気が起こらなくて。。。
久々に100円ショップで明るい色の毛糸を買いこんで
マフラーなんぞを編んでおりました。
ただ。。。まっすぐに。。。編むだけ。。。
何か考えるとすぐ。。。ネガティブになっていくので
こういう時は、思考を停止です。(笑)
底力。。。あるといいんですけど
結局、時間しか頼るものがなくて。。。
弱くていけませんね。
頑張ります!!!

コメント、ありがとうございます。
haruさんにはいつも。。。
励まされてます。感謝、感謝、感謝です。
by 春待ち りこ (2012-11-23 23:18) 

海野久実

お弔い。お葬式。
辛い事だから、人はこんなに優しい言い方をするんでしょうか。
by 海野久実 (2012-12-03 21:03) 

春待ち りこ

>海野久実さん
悲しい悲しいお弔いでした。
子供の頃から知っているし
どんなに大切に育ててられていたかを
ずっと見てきたので。。。余計辛いです。

ご両親もそれはそれは。。。悲しんでいて
もう、何の言葉も思いつかないほど。。。
どんな言葉も慰めにならないほど。。。
そういうことがあるんですね。。。
普段は、わかっているつもりで
でもその実。。。なんにもわかってなんかいなかった
そんな。。。どうしようもない悲しみが。。。

お弔い。。。お葬式。。。
そんな優しい言い方で包み込もうとするのは
それでも前に進んでいかなければならない
残された命のためかもしれませんね。。。

ご無沙汰しております
なんだか、何も書く気がしなくて。。。
気が済むまで休んでいたら
またきっと、書きたくなるんでしょうけど
……だと思いたい。。。(汗)

もう少し。。。時間が必要かもしれません
by 春待ち りこ (2012-12-06 00:44) 

もぐら

りこさん 少し元気でましたか。
りこさんの記事を読んで、私もなにも言えませんでした。

地震のときにたくさんの死を見ました。
どうしようもないと、どうしようもなかったのだと
頭ではわかっていてもつらいですよね。

でもりこさんには早く元気になって欲しいです。
もちろん気が済むまで休んでから。
待ってます。
by もぐら (2012-12-14 19:56) 

春待ち りこ

>もぐらさん
コメント、ありがとうございます。
ご無沙汰してしまって、すみません。
どうしようもないと頭でわかっていても
こんなとき。。。かける言葉の一つも思いつかない。
言葉探しが聞いてあきれる。。。と思ったら
なんだか、何を書く気もしなくて。。。

でも、元気にしております。
ご心配をおかけしてすみません。
きっと、また書くと思います。。。
待ってくださると聞いて
嬉しいです。
本当にありがとうございます。
みんな、優しくて。。。
ここの人たちには、いつも。。。
感謝、感謝、感謝です。。。
by 春待ち りこ (2012-12-17 01:04) 

haru

りこさん、もう少しで2012年が終わり、新年をむかえますね。
お互いに、辛いこと、悲しいことは、2012年に置いて、
新年を迎えましょうね。

とてもお世話になりました。来年もよろしくお願いします。
良いお年を。。。ねっ!
by haru (2012-12-30 20:52) 

春待ち りこ

>haruさん
ご無沙汰しております。
今年は色々お世話になりました。
来年もぜひ。。。お世話、お願いいたします。(。v_v。)ペコ
だいぶお休みしていましたが
来年あたりから、またこちらに戻ろうかと。。。思ってます。
そうですね。。。悲しいことは2012年に置いていきますね。

haruさんの「雨ニモマケズ」
良かったですよ!!!
私もそんなふうになりたいです。いつか。。。きっと。。

haruさんも良いお年をお迎えください。
ご心配をおかけして、すみません。。。
ではでは、また。。。近いうちに♪
by 春待ち りこ (2012-12-31 00:05) 

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