白菜

婆ちゃんの漬けた白菜を
もう一度食べたいと母が言う

婆ちゃんが漬けた白菜は
幸せの味だと繰り返す

確かに婆ちゃんの白菜は
とっても美味しかったよね
でも私の知ってるその味と
母の想いは少し違う

そこにはおそらく母と子の
数えきれない想い出が
いっぱい詰まっているのだろう

噛みしめるごとに
想い出たちは
口いっぱいに広がって
母の気持ちを一瞬に
子供に戻していたのかな

だとしたら。。。

それは確かに
幸せの味
婆ちゃんのかけた
魔法の味

そんな白菜を漬けてくれた
婆ちゃんはもうどこにもいない
どんなに食べたくったって
あの白菜は。。。
もう二度と食べられない

だけど私は知っている
婆ちゃんの白菜の話をするときの
母の懐かしそうな顔

白菜の話をするだけで
もしかしたら。。。
婆ちゃんの魔法は効いていて
母の気持ちを子供の頃に
戻しているのかもしれないね

愛されて
守られて
大切に育てられていた
そんな時代の幸せが
婆ちゃんの漬けた白菜を
思い出すたび蘇る

それってなんだか凄いよね
それってなんだか素敵だね

でもね。。。

婆ちゃんの漬けた白菜は
とっても美味しかったけど

母のおむすびの味こそが
本物の幸せの味だって。。。

内緒だけどね
言わないけどね
私は思っているんだよ




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コメント 8

親から子へ伝わっていく味って、その家の歴史のようです。
私の母は、どちらかというと家事が苦手で、お煮しめやお煮つけの様な
物は、祖母から教わりました。
でも、肝心なものを教わっていませんでした。飯鮓の作り方です。
今となっては残念に思います。

私が何もできなくなってから、娘が一生懸命食事の支度をしてくれています。
だんだん私の味になってきています。いえ、祖母の味かもしれません。
by haru (2013-01-14 10:21) 

あー、いいですね。
母親の味。
そう言う物がちゃんとあるっていうのは一生の宝でしょうね。
うちはずっと商売をやってましたから、料理はほぼお手伝いさん任せ。
お手伝いさんも時々変わるので、あまり我が家の味と言う物がないんですよね。
でもまあ、いろんな家庭のそれぞれの味と出会ったと言う事で、それはそれでいいのかもしれません。
by 海野久実 (2013-01-14 20:58) 

漬物って、その家の味が出ますよね。
私の母が漬けるたくあんは、しょっぱいんですよ～
梅干しもしょっぱいの＾＾
だけどそれが母の味なのかな。
by リンさん (2013-01-16 00:03) 

優しいお話ですね。
母の味かぁ。
ウチの母は料理が苦手で、母の味というものが記憶にありません。
私にとっては伯母の味が懐かしい味です。

by もぐら (2013-01-16 16:51) 

＞haruさん
お返事、遅くなりました。
ちょっと考えたことがあって。。。
そちらにかかってました。（笑）

私も母に料理を教えてもらったことは
あまりないんですけど。。。
似ちゃうんですよね。
やっぱり、舌が覚えているということなんですね。
驚いたことに娘の作る卵焼きの味は
私の作るものとよく似てる。
haruさんのところもウチも
それがその家の家庭の味になっていくんでしょうね。
by 春待ち　りこ (2013-01-20 11:36) 

＞海野久実さん
いろんな家庭の味に出会う。。。いいですね。
子供の頃、友達の家で夕食をご馳走になると
なんだかとっても美味しくて。。。
羨ましく思ったことも何度かありました。
慣れた味というのも悪くはないですが
たまに食べる他の家の家庭の味も
なかなか素敵なものですよね。

そうか。。。
いろんな家庭の味があるんですね。
その人その人の。。。思い出と一緒に。。。
うんうん。なんだか、素敵です。(*´∀｀*)
by 春待ち　りこ (2013-01-20 11:42) 

＞リンさん
私、しょっぱい漬物。。。
結構好きです。
日本酒を飲みながら。。。食べると最高！！！

それぞれの思い出と共に
母の味があるんですよね。
それは、舌で味わうというより
心で味わうものなのかもしれないですよね。。。
なぁんて。(^-^)

by 春待ち　りこ (2013-01-20 11:48) 

＞もぐらさん
伯母さま。。。
きっと料理上手だったんでしょうね。
私も料理が苦手で
娘は、料理のことでわからないことがあると
私には聞かず
弟のお嫁さんに電話で聞いているようです。（汗）

立場無いですが。。。
料理は実力の世界？なので
仕方ないかもしれませんね。。。
by 春待ち　りこ (2013-01-20 11:52)