駅伝とマラソンと母の笑顔と。。。 [エッセイ]

年が明けてすぐ。。。
箱根駅伝をテレビで観た
苦しそうだったけど
それでも必死に。。。
それぞれの想いを抱いて走る若者

なんか感動的♪

私は走ることが苦手だ
それは、小さい頃からで
マラソンだって
もちろん。。。大の苦手(笑)

小学生の頃
毎年、マラソン大会があった
MC900343333.jpg
マラソンといっても
校庭を何周か走るもので
いくつかのグループに分かれて
レースは行われていた

すごく速い人のグループ。。。A
まあ速い人のグループ。。。B
普通、もしくはちょっと遅い人のグループ。。。C

そして。。。

走ってるの?歩いてるの?
それとも。。。もしかしたら。。。
止まっているの???と思われる人のグループ。。。D

毎年、私はCグループにいたのだが
一度だけ、Dグループになってしまったことがある

子供の頃から運動音痴
足の遅さには定評があったが
それでも、お情けで?かろうじて。。。
Cグループのビリをキープしていたのに

あの年は。。。
ついにDグループ入りをしてしまったのだ

Dグループは特別枠
ほかの子供たちと一緒に走ると
校庭一周以上の差が開いてしまい
ゴール判定の邪魔になるほど
タイムの遅い児童のグループだった


まさかDグループなろうとは。。。
自分が情けなかった


なんせ。。。
400人以上いた私の学年

その年のDグループは。。。
たった。。。7人

マラソン大会は盛大で
親達もお弁当持ちでやってきていた
ちょうど、運動会みたいに。。。

まずは。。。Aグループ。。。

人とは思えない速さで
校庭を駆け抜けていった

私と同じ人間とは思えない感。。。満載

そして次に。。。Bグループが
校庭を駆け抜ける

Aグループより遅いとはいえ。。。
まぁ。。。私から見れば超人クラス。。。

走る姿も美しい

そのあとは。。。
Cグループのレースが始まる
このグループの人数が一番多かった
観ている親達の数ももちろん多い
気合の入った応援合戦!!!

抜きつ。。。抜かれつ。。。

親達の応援も手伝って
盛り上がることと言ったらこの上ない
まるで。。。
お正月の箱根駅伝のよう(笑)
とっても見ごたえのあるレースである

それから、少し間があって。。。
それぞれにお弁当を食べたあとの。。。

親達の興奮もすっかり冷めたその頃に
私たち。。。Dグループの順番になった

ついに
ワイルドセブンの登場だぁ!!!

7人の走者はみな
走りたくない想いを胸に秘め
スタートラインに立っていた


静まり返る。。。校庭

並んだ7人は
見るからに
明らかに
ほかのグループとは違う雰囲気をかもしだしている。。。

その雰囲気とは。。。フフフッ(¬_,¬)フッ

(ここの描写は、各々のご想像にお任せいたします)

。。。っで。。。
始まったマラソン

ここで、信じられない出来事が起こる

走り始めたら。。。
私がなんと。。。トップになっていたのだ

万年運動音痴の私にとって
体育系の競技でトップになるなんて
人生初!!!

だが。。。
見学していた親達は。。。
Cグループの時とはうってかわって
静かな観戦

まぁ。。。7人しかいないし
そんなもんだよね。。。

もともとこのグループは
ほかの子供たちとは一緒に走れないほど
足の遅い子供たちの
特別枠のグループだもん

なぁんて思いながら走っていたそのとき

頑張れ~!!!

っと、校庭の静けさを壊す
大きな声が聞こえた

見ると。。。

えっ?かあさん。。。

母の目には。。。
今まで見たこともないような輝きがあった
あまりに嬉しそうなその頑張れ~!!!の雄叫びに
私はかなり、ビックリしてしまった

Dグループ。。。

このグループで走るくらいなら
欠場したほうがマシ。。。
とまで言われたマラソン大会

事実。。。私も。。。
休んでしまおうかと
何度も考えた

だが、休むには理由が必要
その理由を思いつかず
仕方なく参加した

せめて。。。
静かに終わってくれと願っていた

もちろん。。。
静かに終わるはずだった

いや。。。
静かに終わって欲しかった

多分、Dグループの7人は
全員。。。そう思っていたはずだ

そんな控えめな私たちを
あんなに目立たせてしまったのが
こともあろうに。。。私のかあさん。。。

恥ずかしいなぁ。。。

心の中でそう思いながらも
途中で止めるわけにもいかず
私は、走り続けた

母の応援の声に
ほかの親達も刺激されたのか
ちらほらと応援の声が増えていく
最後の一周
なぜか。。。
湧き上がってしまった大歓声と
大きな大きな拍手の中
私は見事。。。

一位でゴールしたのだ
MC900222672.jpg
一生に一度
あるかないかの快挙?を達成!!!

思わず照れてしまうほど。。。
すごい拍手の中。。。
私たちDグループの7人が。。。あの校庭を走ったこと
それは、よく覚えている
MC900228613.jpg

あの応援の凄さはなんだったのだろう。。。
っと。。。今でも不思議に感じる

見るからに。。。
運動の苦手そうな児童達が
息を切らし
死にそうな形相で走り続けているのを見て
Aグループの清々しさとは正反対なところにある
頑張りという必死さに
感動を覚えたのかもしれない。。。
なんて考えたりして

マラソン大会の日の夜。。。
私は、母にめちゃくちゃ褒められた

運動会ではいつもビリ…
体育の成績はいつも最悪
その娘が。。。
たとえ、Dグループとはいえ
一位をとったのだ
母にしてみれば
初めて見た。。。トップを走る娘
きっと、よっぽど嬉しかったんだろう

このマラソン大会で
私は。。。知った

一位をとるということは
快感であるということと

母は。。。
私が一位をとると
あんな顔で笑うんだ。。。ってこと

あんな笑顔

あの一回だけだったな。。。
出来の悪い娘だったから(笑)

箱根駅伝を観ながら
母のあの笑顔を
ふと。。。思い出した

なんだか。。。
優しい気持ちになる

大人になった今でも
母のあの笑顔の思い出は
私を暖かく包んでくれる

Dグループの
たった7人の中の一位

そんなどうでもいいような一位を
心から喜んでくれた母

その母の笑顔は
私が愛されて育った証だもんね

それはもしかしたら。。。
今の私にとっても
生きる自信になっているのかもしれない
そんなふうにも思う

改めて。。。母に感謝を。。。
MC900228125.jpg
そして。。。

あの笑顔の思い出を
久しぶりに思い出させてくれた。。。
あの箱根駅伝を駆け抜けた
若い勇者たちにも。。。

感謝の気持ちと。。。
そして、あの必死ながんばりに。。。
あの時、マラソン大会の時にもらった応援の拍手と
たぶん、同じ気持ちの
心からの拍手を送った

MC900228091.jpg

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コメント 4

haru

箱根駅伝、私も見てましたよ~!毎年スゴイ感動をもらいます。
りこさんのマラソン一位も輝いていますね。輝く思い出っていいですね。
そうだ、今年も一つでいいから輝く思い出を、私も作りたいなあ~!
by haru (2012-01-14 09:41) 

海野久実

Dグループで1位を取って、応援される喜びを覚え、その後必死で頑張って、Cグループで1位を取る…
なんてことにならないのが、本当っぽくっていいですね(笑)
そうならなかったからこそ、Dグループの1位がいまだに輝いているんですね。
by 海野久実 (2012-01-14 16:56) 

春待ち りこ

>haruさん
駅伝って、感動的ですよね。。。
私にしてみれば、あれほど走れるのは
空を飛ぶことに匹敵するほど。。。不思議。。。
マラソンの一位。。。
このありえないような思い出を駅伝を見ていて思い出しました。( *´pq`)クスッ

私も今年。。。
ひとつでもいい。。。小さくてもいい。。。
光る思い出を手に入れたいです。
がんばりましょ!!!
by 春待ち りこ (2012-01-15 23:49) 

春待ち りこ

>海野久実さん
うんうん。。。小説なら。。。
ここで頑張ってCどころか。。。Aグループのトップに!!!
なぁんて展開もありかもですね。
でも、現実は。。。なかなか厳しいです。(¬_,¬)フッ

そっか。。。
たった一回きりの一位だから。。。輝く
そうなんですよね。。。
確かにあの体験は、私にとって未知との遭遇。。。
UFOに出会うくらい。。。奇跡的
いやっ。。。それ以上かも(´▽`)フフフッ
by 春待ち りこ (2012-01-15 23:56) 

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