真実 [小さなお話]

人間ってのは
愚かな生き物だ

愚かすぎて
助ける気にもならない

何でもかんでも
助けて、助けて。。。って

なんなんだ???

たまには、自分で解決したらいいのに

それに、苦しい時だけ頼みに来るのも
頭にくる
普段は、知らん顔

ありがたみなんて
これっぽっちも感じてないしさ

まったくもって。。。けしからん
人間なんぞ、早く滅びてしまえばいい。。。

あぁ、決めた。。。
もう人間なんて助けてやるもんか

絶対絶対絶対。。。
どんなに頼まれたって
助けてなんてやらないぞ!!!


チャリーン

突然。。。
俺の耳に美しいその音が響き渡った

その瞬間、俺の気持ちは揺れ始める

人間は、助けない
そう決めた。。。
そう決めたけど。。。
決めたんだけと。。。

あの音。。。あの素敵すぎる音が
俺の耳から離れない

あぁ。。。もうだめだ
とてもこの誘惑には勝てない

人間は嫌いだが
人間の作るものは、大好きだ

人間は滅びてもいいが
人間が作り出すもの
それがないと
俺は耐え切れないかもしれない

仕方ない。。。
また、助けてやることにするか

今度は一体、何をどうしろっていうんだろう

まぁ。。。なんにせよ
お賽銭を頂くんだ

きっちり仕事をしてこよう。。。

そういえば、今の音。。。
たぶん、10円か
もしかすると、100円かも

どちらにしても
今まで貯めた分を合わせれば

ガリリちゃんアイスバーが3本は買えるな

俺は、ガリリちゃんアイスバーが大好きなんだ

夏の暑さを乗り切るには
これが一番

なんて、素晴らしいものを作り出すんだろう
人間の画期的な発明品だよな

それに今年は新しく。。。
パイン味とバナナ味が追加された
これはもう、絶対に食べたい
もちろん、定番のソーダ味も捨てがたいしな

迷うなぁ♪

ひと仕事終えたら。。。
さっそくコンビニへ買いに行かなきゃな


◎  ◎  ◎

神様は。。。
地球に向かう隕石をひとつ
跡形もなく消滅させた
MB900438714.JPG
それが、地球に衝突すれば
地球上の生物はおそらく。。。
壊滅するはずだった

しかし、その事実を
人間は気付きさえしなかった

では、なぜ。。。
地球は助かったのか

一人の男が
神社で祈りを捧げたのだ
MB900343697.JPG

「今日、娘が生まれました。。。
 こんなに幸せなことはありません
 神様。。。
 どうか、これからも娘をお守りください
 健やかに成長してゆきますように。。。」

男は、裕福ではなかった
投げたお賽銭は。。。
10円硬貨一枚 
 

でも、祈りは届き
神様はちゃんと、仕事をした

人類は生き延びたのだ

人間たちは誰ひとり知らない
人類の危機も
神様が何をしてくれたのかも

そして。。。

人類を救ったのは

本当は。。。
ガリリちゃんアイスバーだったことも。。。
MB900251621.JPG

びっくりするような本当の話だが

真実とは。。。

案外、こんなものなのかもしれない

      おしまい

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コメント 2

海野久実

すごく設定がぶっ飛んでいますね。
これが長編小説の単行本なら帯のコピーに
「神さまとガリガリ君と巨大隕石」
なんて書いて読者の興味を引き付ける販売戦略で行きますね。

あ、ガリリちゃんか(笑)
by 海野久実 (2013-08-15 09:02) 

春待ち りこ

>海野久実さん
コメント、ありがとうございます。
実は、このところずっと。。。学校の宿題をやるとかで
パソコンの所有権が娘に移っております。。。
なかなか、使わせてもらえません。
私のパソコンなのに(泣)
でも、宿題のためとか言われると。。。何も言えない。。。はぁ~

少しの空いた時間で、なにか書こうと思ったんですが
結局、オチが思いつかず。。。こんなことに。。。
ガリリちゃんって。。。(笑)
自分でも、笑えます。
海野さんのコピーの方が。。。
本文より魅力です!!!(^O^)
by 春待ち りこ (2013-08-16 11:32) 

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