ブランコに揺られて。。。 [エッセイ]

夢の中で、、、私はブランコに乗っていた。
頬にあたる風が。。。心地よい。
このまま。。。風になれるような気がした。
だんだんと。。。私は風と同化する。
ブランコ.JPG
「あぶないよ。。。」

そう声をかけられるまで。。。私は風だった。

「誰???」

声のするほうを見ると。。。
そこには小さな男の子。。。
このブランコに乗りたいのかしら。

でも、あぶないってどういう事???

そんなことを思っていると
その男の子が、また話し始める。

「そのブランコはね。。。忘却のブランコっていうんだ。
揺られれば揺られるほど。。。忘れちゃうんだよ。」

「忘れるって何を???」

男の子は。。。フフッと笑うと。。。こう答えた。

「全部さ。。。悲しい事も忘れられるけど。。。
大切な事も全部。。。忘れちゃうんだよ。。。」

「そんな馬鹿な。。。」

ブランコに乗っているだけで。。。記憶をなくすなんて。。。


・・・・・・絶対にありえない。


この子は、私をからかっているんだろうか。。。

「うそつきは泥棒の始まりだよ!!!」

私は、強い口調で男の子に言った。
ここでなめられちゃイカン!!!と思ったのだ。
強い態度を見せなくては。。。

でも、男の子は笑顔のまんまで今度はこう言うのだ。

「嘘だと思うなら。。。自分の名前。。。言ってごらんよ。」

名前???
やっぱり、、、馬鹿にされてるんだ!!!
いくらなんだって、自分の名前くらい言える。

「私の名前はね。。。名前は。。。あれ?」

どうしたことだろう。。。名前が。。。思い出せない。

「ほら。。。ね。」

焦りまくる私。。。私は誰。。。私は。。。さっきまで。。。風だった。

……???

でも、その前は。。。何だったの???

完璧なパニック。。。




「ママ。。。ママ。。。」

空から誰かの声がする。
懐かしい声。。。愛しい声。。。
この声は。。。娘だ。。。

そうだ。。。私は。。。母だ。
あの声の持ち主の。。。お母さんだ。

そう思った瞬間。。。目が覚めた。


目の前に、娘がいる。
そして、言った。

「ママ、もうおきなよ。。。朝だよ。」

どうやら寝過ごしてしまったらしい。。。

起きてから。。。
私は、娘に昨夜の夢の話をしはじめた。

「変な夢を見たのよ。」

夢の話を聞き終わると。。。娘が言った。

「じゃあ。。。私がママを助けたんだね!!!」

ちょっと、得意げな娘。。。

「そうだね、ありがとね。」

私が、お礼を言うと。。。今度はちょっと照れたような顔をした。

相変わらず。。。可愛いじゃない!!! (でたぁ~。。。親バカ発言。。。)

と思っていると。。。
娘の瞳が鈍く光った。。。まずい。。。これは。。。いつもの毒舌タイム。。。

「現実の世界では、ママはブランコに乗りっぱなしだね。
 物忘れ、、、激しいモンね!!!」


・・・・確かに。。。そのとおりでございます。。。

必要なものを買い忘れるは。。。
学校行事は忘れるは。。。
えとせとら。。。えとせとら。。。

「しっかりしてね!!!」

・・・・・はい。。。頑張ります!!! 


にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村



人気ブログランキングへ


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

卒業 [エッセイ]

ヘッダー 花.jpg
以前。。。
友人が、ホスピスに入院していた

癌が見つかった時には
もう。。。いろんな場所に転移をしていて
手術も出来ない状態だったそうだ

抗がん剤と
放射線で。。。
延命は望めたが

かなりの副作用が伴う

彼女は、最期の時間がたとえ短くなっても
自分らしく過ごすことを選んだ

その答えが。。。ホスピス


なるほど。。。
彼女らしい選択だった

何度かお見舞いにもいった

何度目かのお見舞いに行った時
彼女が言った

「仲良くしていた隣の部屋の人が
 昨日、退院したのよ。」

「そう。。。よかったね。」

私は、深く考えもせず
そう答えた。。。

「次は。。。私の番かな。」

彼女は、そう言って笑った

その笑顔を見て、ハッとした

……ここは、ホスピスだった。。。

ここを退院されたってことは、すなわち。。。
亡くなられたということだ

それを、「よかったね」。。。なんて言ってしまった
口から出してしまった言葉を
今すぐ、口の中に押し戻したいと本気で思った

でも。。。それはむりなこと

顔が。。。後悔で。。。
歪んだらしい

そんな私を見て。。。
彼女は慌ててこう言った

「気にしないで良いのよ
 仕方がないことなんだから
 それに、ここにはいることは
 自分で決めたこと。。。
 短い時間で一生分の
 濃い人生を送るつもりでさ。。。」


彼女を励ますつもりだったのに
逆に、慰められている自分が嫌だった


彼女は。。。
戦うことより
生きることを選んだ

考えて、考えて。。。さらに考えて。。。
そうしてようやく出した答え



ホスピスは。。。
積極的な治療はしない

痛みをとることが
ここの治療だと言っても良い

だから、確かに動けるうちは
自分の時間を自由に使える



でも、ここにいれば
常に死と向かい合わせの恐怖を
感じずにはいられないだろう

誰だって
どんなに強い人だって
怖くて仕方がないはずだ


あの頃、彼女は
凛として生きていた

それは間違いない

でもきっと。。。何度も何度も
恐怖に震えたに違いない

私には、言わなかったけど
そんなそぶりも見せなかったけど


「ここではね。。。
 亡くなって退院した人のことを
 卒業していった。。。っていうのよ
 ここで、人生を卒業して
 天国へいくのね。。。
 私も悔いが残らないように
 ちゃんと生きなくっちゃ。。。
 もうあまり時間がないんだもん
 卒業までに。。。」


……返す言葉が見つからなかった



励ましの言葉も慰めの言葉も
気休めも嘘も
彼女は求めていないような気がした

こんなときは。。。
なんていえばいいんだろう。。。
どんな言葉が彼女を支えるんだろう。。。


結局。。。

「そっか。。。」

そう答えただけ。。。


心の中で。。。
たくさんのガンバレをおくりながら。。。



そんなことがあった2ヶ月後に
彼女は。。。
そのホスピスを卒業していった。。。


彼女は、ホスピスを卒業して
神様から。。。翼をもらったんだ。。。
菊.gif


にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

星になった頃に [エッセイ]

「将来の夢は???」
娘に聞くと。。。
「保健室の先生。」
と答えた。

……保健室???


あの一校に一つしかない。。。
あの保健室のことだよね。
それは、、、
単純に考えて。。。難関かもしれない。

でも、がんばれ。。。

とりあえずは、チャレンジだね!!!

「じゃあ。。。まずは、定期テスト頑張ってね!!!」

そう声をかけたが。。。

スルー。。。

勉強はどうも、好きではないらしい。

「ママは子供の頃、
 将来の夢なんかあったの???」

試験勉強の話から遠ざかりたい娘が
はぐらかすように質問してきた。

夢。。。あったよ。
たくさんありすぎて、、、笑っちゃうくらい。

音楽が好きだった。
ずっとバンド生活をしていた。
歌を作るのがとても好きだった。。。
ずっと、歌っているんだと思っていた。

でも、今は……

たまにカラオケでストレス発散するくらい。。。
時代が変われば、夢もまた変わる。

私 「いっぱいなりたいものあったけど。。。今はね~~~。」
娘 「えっ、今も将来の夢があるの???」
私 「うん。あるよ!!!」
娘 「自分の年、わかってる???」

。。。私に「将来の夢」があっちゃ悪いか!!!

娘の将来の夢って。。。
あと10年か、15年くらい先に
叶えたい夢の事だよね。
こんな職業がいい。。。とか
あんな人と結婚したい。。。とか

だったら……

100歳まで生きる予定を組んでいる私に
10年後の夢があったとしても。。。

おかしくないはず!!!

「ちなみに将来の夢って何???」
 呆れた顔の娘が言う。

よくぞ聞いてくれました!!!

私 「作家になって、老後は印税生活!!!」
娘 「やっぱり……。」

私の書く小説に
いつも手厳しい評価をつけてくれる娘は
さらに、あきれ顔 (~_~;)

それは、もちろん冗談だよ
冗談だけど。。。ね。

夢はあるよ。
飛び切りでかいヤツが。。。

娘にはちょっと。。。
照れくさくて言えないけれど。。。

本当の私の将来の夢は。。。

まずは。。。
娘の帰る場所であり続ける事。。。

この先、大人になるまでに
いろんな困難にぶつかっていくと思う。

今よりもっと、深刻な問題を
つきつけられるかもしれない。

小さい頃みたいに、何でも親がしゃしゃり出て、
解決してまわるわけにもいかないだろう。

結局の所、自分でなんとかするしかない。

でも、どんな答えを選んだとしても。。。
どんな道を進んでいこうとも。。。
変わらない。。。自分の帰る場所があるというのは
なかなか心強いものだ。

だから私、いつでも娘の帰る場所でありたいと思う。

そして、さらに。。。ずっと先。。。

私の寿命が尽きた後、、、

娘が辛い時や苦しい時に
思い出すだけで、少しだけ元気になれるような
そんな思い出になれたらと思う。。。
そんな優しい思い出になることが。。。

本当の私の。。。将来の夢。

こんな事を言ったら、

「優しい思い出???
 あんまり、優しくしてもらってないけどなぁ~。」

娘なら。。。きっと、こんなふうに言うだろう。
それでも、いつか。。。

星になった頃に。。。

娘を支える。。。思い出になりたい。
そんな優しい思い出に。。。なりたい。。。星.gif



にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ



nice!(4)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

タイムカプセル [エッセイ]

小学生のころ。。。ランドセル.jpg
21世紀の自分に宛てて
手紙を書いたことがある

手紙を書いたことは
なんとなく覚えてるけど
何を書いたのかはさっぱり。。。だ

きっと、たいしたことは書いてないだろう

小学生の私は
どんな大人になることを望んでたのか

今の私を見たら
あの頃の私は。。。
ためいきをつくかもしれないなぁ。。。
なぁんて思ったりして(笑)


あの手紙は。。。
小学校の敷地に埋めた

俗に言う。。。
タイムカプセルっていうやつだ

21世紀になったら
みんなで開けようって。。。

そういう約束だったはずなんだけど

時代というのは、残酷なものだ

もう、何年も前の話だけど。。。
あの頃の校舎は老朽化してしまったため
全部、建て直してしまった。。。

ついでに。。。校庭の場所も変わり。。。

私たちのタイムカプセルが眠っているはずの
その場所には。。。

鉄筋のでっかい校舎が。。。学校.jpg
デンッ。。。と建っている

まぁ、仕方がないよね
子供の安全が第一だもん


初めて、あの新しい校舎を見たとき
私たちのタイムカプセルは
永遠に土の下で眠り続けるんだと思った

それとも。。。

もしかしたら。。。

何千年か先。。。
考古学者が発掘したりするかもしれない。。。

そうなったら。。。

過去の遺産として
世界的に有名になったりして。。。(^w^)フフフッ…

またまた。。。私の妄想癖は
どこまでもどこまでも、とどまることを知らない

そんなことになるんなら。。。

もっと真剣に手紙を書けばよかった

あぁ。。。
昔の子供はなんて。。。
素敵なことを考えてたんだろう!!!


そんなふうに思われる手紙を書けばよかった

ひたすら後悔しまくった。。。

後で知ったことなんだけど
あの校舎を建て直す時の基礎工事で
数え切れないくらいのタイムカプセルが
掘り起こされたらしい

そりゃそうだ。。。

鉄筋の校舎を建てるなら
タイムカプセルが埋まっている場所より
はるか深くまで。。。
しっかり基礎をうたなければならない

ちょっと考えれば、わかりそうなことだけど


……浅はかな妄想だった。。。


掘り起こされたタイムカプセルは
数が多いし。。。
とにかく古いものなので
何年度の卒業生の
どのクラスの埋めたタイムカプセルなのか
ほとんど、わからなかったらしい

それにしても。。。
いったいいくつのタイムカプセルが出てきたんだろう


私たちのものも含めて
同じ小学校に通った先輩や後輩が
将来の自分に送った手紙

そこには、たくさんの想いがあったんだろうなぁ


夢や希望や祈りや期待。。。

そんな想いがすべて。。。
あの古い校舎と共に
光の射さない場所へ葬られた

ちょっと。。。残念

今はもう。。。読むことの出来ない手紙
私は何を書いたんだっけ???

やっぱり。。。思い出せない

それは、たぶんもう。。。
思い出すことは出来ないと思う

でも今の私から。。。
あの頃の自分に
手紙が書けるんなら
私はたぶん。。。こんなことを書くだろう
asagao01.gif

小学生の私へ。。。

君の将来は
君の思い描いたものとは
おそらく。。。
かなり違ってしまっているけれど。。。

君のこれから出会うはずの家族は
とても素敵な家族だから

君がこれからめぐりあう。。。
君の娘は。。。
君を最高に幸せにしてくれるから

安心して。。。ここまでおいで。。。


悩んだり。。。苦しんだり
辛いこともこれから。。。たくさんある

切ない夜を乗り越えておいで
悲しい夜を耐え抜いておいで

幾筋もの涙を流すこともあるけれど
光が見えずに。。。
途方に暮れる時もあるけれど

決して、あきらめないで。。。

それもこれも全部。。。
ここへたどりつくための道

がんばって。。。ここまでおいで。。。

君の未来は。。。
ここにある

タイムカプセルと共に忘れられた
君の夢がなんだったのか

それは、今の私にはわからないけど

大丈夫。。。

ここは君にとって
とても素敵なところだよ


だって。。。君は世界一。。。
素敵な家族と暮らしているんだから。。。

          未来のおばちゃんになった私より。。。


なぁんて……
ちょっと。。。言いすぎ???かな。。。

でも。。。ほんとだよ♪

何のとりえもない私だけれど

家族だけが。。。
私の唯一の自慢だから。。。

にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


nice!(3)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

白い部屋 [エッセイ]

「行ってきたよ。。。」

友人からそんな電話があった。。。
その声は、充実感をともなったハリのある声だった

「被災地は、テレビで見たよりも
ずっとひどいことになっていたわ。
亡くなった人の多さにも驚いたし
大切な家族を無くした人もたくさんいたの。
精いっぱいのことをしてきたよ。
小さな小さなお手伝いだけど
何もしないよりはマシだから。。。」

友人は、GWに旅行会社が企画した
ボランティアツアーに参加してきたのだ

疲れて帰ってきたはずなのに
友人のテンションは高かった
このところずっと、落ち込んでいた友人
こんなにはっきりした
元気な声を聞いたのは久しぶりだった

それは、私にとっては
とっても嬉しいことなのだけれど

たしかにそうなんだろうけど

ちょっと複雑な気持ちになる。。。

去年、友人の娘さんは空を飛んだ
一瞬飛んで。。。
そのまま地面に落ちてった

彼女の体が地面に落ちた瞬間
彼女の魂は。。。空へ昇った

即死。。。自殺だった。

自分の命よりも大切な命を
友人は失ってしまった

目も当てられないほど
衰弱して

私は、友人も娘さんを追って
自ら死を選んだりしないかと
ずっと、ハラハラしていた

そんな時。。。この震災。。。

テレビで。。。
津波に流されてしまった娘を探す人を見たとき
友人は居ても立ってもいられなくなったらしい。。。

なので自ら、被災地へ行ったのだ
そこで。。。
自分の不幸より大きな不幸を
たくさん目にしてきたに違いない

家族を全部なくした人
そのうえ、家まで無くして

残っているのは自分の命一つだけ

そして、その人は言うんだ

「命があっただけでも。。。運が良かった。」って

友人は確かに。。。不幸だった
けれど。。。友人は比べたんだ

自分の不幸と被災者の方の不幸
それが友人を大きく変えたような気がする

自分より不幸な人たちを見つけて
落ち込むのをやめたか
落ち込めなくなったのか

とにかく元気に戻ってきた

それはいいことなんだよね。。。

人の不幸が友人の元気の素。。。か

世の中、切なく出来てるね。

それでも、友人が元気になってよかった
私は。。。そう思う。。。。

今日は、去年。。。
その友人を訪ねて行った時に書いた
エッセイを載せようと思う

友人が本当に。。。
憔悴しきったいたころの
ちょっと切ないエッセイ

お時間のある方は。。。
よろしくお付き合いくださいませ

pink.png



   『白い部屋』

六月に。。。
友人の娘さんが自殺をした
友人の落ち込みはひどくて。。。

でも、そばにはご主人がいて支えてくれている

しばらくは。。。
少し、離れて見守っていようと思った

  ○ ○ ○

あれから。。。
電話で会話をするくらいで
直接会うことはなかったけど

いつも。。。
彼女のことは気になっていた

今日。。。

久々に彼女の家を訪ねた
様子が気になって。。。

少しは、元気になってくれてるといいんだけど。。。

チャイムを鳴らす
玄関のドアが開く。。。

彼女が、亡霊みたいに立っていた。。。

時間は必ず。。。
彼女の味方をしてくれるって
そんな風に信じていた私

でも。。。どうやらそうじゃなかったらしい

時間は、彼女を追い詰めていっている
その表情から、尋常でないものを感じる

頭の中に
心の中に
悲しみがどんどんあふれだしていて
ほとんど、飽和状態なのだろう

私に何が出来る???

必死に考える
考えるけど思い浮かばない

命より大切なものを失った彼女に
代わるものなど贈れるはずもない

彼女の最愛の娘さん。。。
モコちゃん(仮名)に。。。
お線香をあげさせてもらった

部屋中に
お線香の煙が漂っている

必要以上に白い部屋。。。

もしかしたら、一日中ずっと。。。
モコちゃんにお線香をあげ続けているの?

「たまには、外へ出ない?
買い物に行こうよ
美味しいものでも食べてさ。。。
 
少しは、気晴らししないと
心が破裂しちゃうよ。」

危うく見える彼女の心
少しでも、楽にしてあげたい
気持ちばかりが焦ってゆくのだけど

でも結局。。。
こんなことしか言えない私


「悲しみで。。。
心が破裂してくれるなら
早く。。。
弾けてなくなってしまいたい。」

「……。」

彼女の絶望があふれ出て
一瞬、時が止まった気がした



「……なんてね。。。
 
本気にしないでよ。冗談だって。
でも、買い物はパスさせて
どうせ、行っても
必要のないものばかり買っちゃうのよ。」


そう言いながら彼女が部屋の隅を指差した
そこには、新品の服やら。。。
バックやら。。。
山のように積み重なっている


「あぁ。。。」

私は、言葉を失った


そこにある。。。服もパックも
彼女のものにしては、派手すぎる

そういう。。。ことなんだね

きっと、彼女も戦っている
このままじゃいけないと思ってる

だから、一人で。。。
街に出て。。。

買い物なんかにも挑戦して

そこで買ってきたものは

たぶん。。。
亡くなった娘さんの
着ることのない洋服と
使うことのないバック

実はさ。。。

「妻を外へ連れ出してほしい」。。。って
ご主人に頼まれたんだよ

ご主人も心配しているんだ
彼女のこと。。。

確かに、この白い部屋にこもっていたら
いい結果にはならない気がした

「まったく。。。
昔からあんたは、センスが悪すぎる
これじゃあ。。。モコちゃん。。。喜ばないよ
私が一緒に選んであげる
モコちゃんに似合いそうな服

だから、これから二人で一緒に買いに行こうよ
そうして。。。
ちゃんと仏壇に供えてあげよう

でも、その前に。。。
私、お腹が空いちゃったから
どっかで食事に付き合ってね。」


やっとの思いで、そう言った
理由なんて、どうでもいいんだ
ともかく、彼女を外へ連れていく

今日は、何がなんでも。。。

そんな私の気持ちを悟ったのか
彼女は、今日。。。
初めて顔をあげて、私を見た

そうして、力なくだけど。。。

にっこり笑って。。。こう言った

「ありがとう。」

勝気な彼女の
今にも消えそうな。。。
か細い声が切なくて

あふれそうな涙を必死にこらえた。。。


にほんブログ村 小説ブログ 掌編小説へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


nice!(1)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

宿敵~クロ~ [エッセイ]

テレビをつけたら。。。
一匹の犬が。。。映っていた
その犬を見たとき。。。急に背中に寒気が。。。
だって、クロに。。。
昔。。。私をいじめぬいた犬に。。。
友達の家の犬に。。。
。。。そっくりだったから。。。

幼稚園の頃
私のクラス。。。
ひばり組にはいろんな奴がいた

喧嘩の強い子
頭のいい子
口達者な子
噛みグセのある子
いつも、空想の世界でくらしている子
優しい子
気の弱い子
無口な子
人見知りの子

私は、幼稚園を休んでばかりいた
たぶん、出席日数はかなり少なかったと思う

あの年、
私は人生初の。。。開腹手術を受けたから
入院、手術、術後療養。。。
たくさん。。。幼稚園を休んだ

だから、思い出と言っても
あまり。。。ないんだけど。。。

ひばり組のみんなのことは
よく覚えている

個性的なメンバーだったし。。。

そんなひばり組には、
いじめっ子のクニちゃんがいた。。。


喧嘩は強くて
手も早い。。。

だから、みんなにとても恐れられていた。。。

ある日、幼稚園にいってみると
まだ朝早くて。。。
教室にはクニちゃんしかいなかった

実際のところ、私はビビった
幼稚園を休みがちだった私には
クニちゃんは、お化けより怖い存在だった
たまにいった幼稚園で
クニちゃんは、いつもケンカをしていたし
言葉づかいは乱暴だったし。。。

仲良くなる時間も足りなかったんだと思う

クニちゃんと二人で教室にいたら
なんだか、いじめられそうな気がした

教室に入るのをためらっていると
今度はクラス一弱そうな。。。(実際、弱かったんだけど)
ただしくんがやってきた。。。

「おはよう!!!どうしたの?
 中に入らないの?」

そう声をかけられたが。。。
私は、何も答えられずにそこに突っ立ったままでいた

クニちゃんが怖くて、中に入れない。。。

そんな情けないことを言うのは嫌だった
ただ、黙っている私の横をとおりすぎて
ただしくんは、教室に入っていった

「クニちゃん、おはよう。。。
 どうしたの?元気ないじゃん。。。」

ただしくんがそういうので、クニちゃんをじっと見つめた
たしかに。。。いつもと違う
なんとなく。。。悲しそう。。。

「実はさ。。。
 今朝、クロが死んじゃったんだ」

クロっていうのは、クニちゃんちの犬だった
飼い主に似て、気の荒い。。。私の宿敵
そういえば。。。
ただしくんも、よくクロに追いかけられていた
クロは、ただしくんにとっても。。。天敵のはず

私は、心配になった。。。
もしもここで、ただしくんが。。。
嬉しそうな顔なんかしたら
ぜったい、クニちゃんにボコボコにされちゃう。。。
そう思ったからだ

もし、クニちゃんとただしくんが喧嘩になったら
私は、止めに入れるだろうか???

そんなふうに自分の心配までしてしまった

すると、ただしくんが。。。
クニちゃんの肩をたたいて。。。

「そりゃ。。。悲しいよな
 友達がいなくなっちゃったんだもんな
 うん。。。今日は僕がゆるすから。。。
 一日、落ち込んでていいよ
 だけど、明日はまた元気に戻ってよね
 クニちゃんに元気がないと
 ひばり組に元気が出ないからさ」


……えっ。。。

私はとても驚いた
だって、いつも弱虫なただしくんが
あのクニちゃんを慰めてる???

きつねにつままれた。。。ような気分だった
クニちゃんとただしくんは。。。そのあと
とっても仲良しになった

私はきっと、あの時のことが
二人を仲良くさせたんだろうなぁ。。。
なんて、子供ながらに思っていた

時が流れて。。。
私たちは。。。同じ小学校を卒業し
同じ中学校に入学した
その頃はもう、
さすがに、私もクニちゃんを恐れることはなくなっていた

先生が急病で休んで
急に、自習と言い渡された時

たまたまクニちゃんの隣の席に座っていた私は
なんとなく、あの時の話を始めた

自習。。。もせずに(汗)

「あんとき、びっくりしたよ。。。
 だって、あのただしくんがさ。。。」

私がそう言うと、クニちゃんから意外な言葉が返ってきた

「ただしはさ。。。俺なんかよりずっと強いよ
 喧嘩は弱かったけどさ。。。気持ちが強かった
 だから、人にも優しく出来たんだ
 強くなけりゃさ。。。
 俺みたいなけんかっぱやい奴にわざわざ声なんかかけないよ。。。
 あのことがあったからさ
 俺達。。。今でも親友だしな」

……強かったから。。。優しく出来る?

その言葉は、私にはすごく衝撃的だった
だって、あの時。。。
私は、クニちゃんに声をかけるどころか
同じ教室にはいるのさえ、ためらっていたんだ
自分のことばかり考えて
クニちゃんが悲しそうだったことにすら。。。
気付きもしなかった。。。

私の気持ちが。。。弱かったからだ。。。

なんだか、とても反省してしまったのは言うまでもない


今、考えると。。。
クニちゃんは力が強くて
ただしくんは気持ちが強くて
その強さを認めあえたから
親友になれたんだろう。。。


あの頃より、少しは私。。。
強くなれているかなぁ

今なら、あのひばり組の教室に入って
悲しそうなクニちゃんに
声をかけてあげられるかなぁ。。。


クニちゃんとただしくん

今頃、どんな大人になっているんだろう
あの頃みたいに。。。親友同士でいるんだろうか

力が強いばかりが
強さじゃないって教えてくれた
強くなければ
優しくなれないって教えてくれた
あの二人には。。。

ずっとずっと、親友でいてほしいな。。。

……クロに似た犬をテレビで見ながら
そんな事を思っていた。。。

しっかし。。。怖い犬だった
泣きながら、叫びながら。。。
逃げまどう私をどこまでも追ってきたクロ。。。

私にとっては宿敵
でも、クニちゃんにとっては。。。友達。。。

クロは、旅立つ時に
クニちゃんに親友をプレゼントしたんだね。。。

もしかしたら。。。自分の代わりに???

なぁ~んて。。。

……まさかね。。。(笑)



にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


nice!(4)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

娘が生まれた日のこと [エッセイ]

娘が生まれた日。。。

あの日のことは、今でも鮮明に覚えている

100人に子供が生まれれば
100通りのドラマがそこにある

私だけが特別というわけではない
母であれば、誰もが。。。特別なその日を迎えているはずだ

私が持っているのは
そんな。。。
どこにでもありそうな
だけど世界にたった一つしかない
命の誕生の物語

そんな話を今日は。。。
載せてみようと思う。。。


○  ●  ○  ●  ○  ●  ○  ●  ○  ●  ○  ●



破水が先だった。
食事が美味しいというだけで選んだ個人病院へ向かう。

陣痛が微弱なので、促進剤を入れる。
1本では効かなかった。そして2本目。

……効きすぎた。

すぐに生まれてもおかしくないほどの間隔の短さで
凄まじい陣痛が襲ってきた。


。。。。。。。そして、数時間。。。


いっこうに赤ちゃんは降りてこず。。。
分娩停止。。。陣痛ばかりがやってくる。

結局。。。個人病院では手に負えず。。。

大学病院へ緊急搬送。。。

救急車に乗せられた。
救急隊員のお兄さまに罵声を浴びせながら。。。(お兄さま、あの時は、ごめんね!!!)

やっと。。。大学病院に到着する。
レントゲンをとり、すぐに帝王切開の手術を受けることになった。

その間もずっと、ずっと、ずっと……陣痛は続いていた。
おっそろしいほど短い間隔で。。。
私は疲れ果てていた。
疲れているのに、痛みは休むことなく訪れて
私を休ませてはくれなかった。


しかも、この陣痛をいくら乗り越えても、
赤ちゃんが自然に生まれてくることは無い状態。
その時の私の望みはただ一つ。。。

「早く……麻酔を。。。」




やっと緊急オペを受ける事になった。。。

これで、麻酔をうってもらえる!!!

そう思っていた私の隣に看護師がやって来た。

「いくつか質問にお答えくださいね。」

……問診???
……こんな時に???

と思った。
でも、仕方が無いので答える事にする。

手っ取り早く、済ませてよぉ!!!

心の中で願いながら。。。

「お名前は?」
「住所は?」

。。。からはじまり、長々と質問は続く。

相変わらず、気を失いたくなるような陣痛の中、、、叫ぶように答えていく。

「宗教はなんですか?」
「初婚ですか、再婚ですか?」

そしてついに、

「今まで、お子さんをお産みになった事は?」

「ありません*♪~」

「では、だんな様には他にお子さんはいらっしゃいますか?」

……えっ。。。

それって、どういう意味。。。
まして、今こんな状況で答えなきゃいかんの?

ぶちきれた!!!

でも、もう抗議する力も残っていなかった。

問診が終わり、やっと、今度こそ、絶対……麻酔。。。と思った。
執刀医ならびに手術スタッフの面々が私を囲む。

どの人が、、、麻酔医???
誰でもいいから。。早く助けて~~~。

と心の中で叫ぶ私。

手術スタッフの方達は、満面の笑みを浮かべ話しかけてくる。


「はじめまして、○○と申します。今日は、私が執刀させていただきます。」

……???

「私は麻酔科の○○です。どうぞよろしく。」

……自己紹介???
。。。って。。。全部で何人いるの???

勘弁してくれ!!!


腰が砕けてなくなりそうな陣痛の中で。。。
長い長い自己紹介が。。。始まっていた。。。


こんな出産経験を話したら。。。
世の中の少子化が進んでしまいそう。。。だよね。

でも、どんな目にあったって。。。
娘の命を授かったことに感謝せずにはいられない。

娘に出会うためだったんだから。。。

このくらいの試練。。。
なんてことはない。

なぁんて。。。今だからそう思えるのかも。。。(笑)
(あの時は、痛みに耐えることで精一杯だったからなぁ。。。)



結局。。。
私の出産は。。。
この先も、ただでは終わらなかった。。。


長かった。。。自己紹介が終わり
麻酔科の先生が言う。。。

「麻酔ウチますんで。。。ちょっと痛いですよ。」

何をおっしゃるうさぎさん!!!である

だって、陣痛が次から次に襲ってくるその時の私に
針をさす痛みなんて。。。
麻酔を打つ痛みなんて。。。
可愛い痛みだ。。。


どうぞ。。。ご遠慮なく。。。さぁ。。。はやく。。。


心の中で、そう叫んでいた


麻酔ってすごいなって。。。
今思い返しても、そう思う
感動すら覚える

だって、麻酔を打ったら。。。
陣痛の痛みは。。。きれ~になくなった
今までの苦しみが、嘘のようだ。。。

麻酔が効いているのを確認した後
執刀医の先生が言った

「5分で産まれるよ。。。」

えっ。。。5分。。。

痛みがなくなった私は
やっと会える我が子との対面にワクワクした

ゴロン。。。

かすかにそんな感じがした。。。
それが、娘を産んだときの私の感想。。。

助産婦さんがすぐに娘を抱いて
私に見せてくれた


「女の子ですよ。。。手も足もありますよ
 指も。。。ちゃんと5本ずつ
 おめでとうございます!!!」

娘がそこにいた
なんだかとても、嬉しかった。。。

「ありがとうございます。」

しばらく、幸せを噛みしめていた

その時。。。
突然。。。執刀医の先生の声が響いた

「なんだこれは!!!」

何???何があったの???

不安に思っていると、執刀医の先生はこう続けた。。。

「あぁ。。。これは切らなきゃならんね
 あのね。。。卵巣に腫瘍があるから
 このまま、切除するからね
 もう少し、時間がかかるよ
 がんばってね。」

腫瘍。。。って???

私はその時。。。はじめて。。。
自分が持っていた卵巣のう腫の存在を知った

知ったと同時に。。。切除

運が良いんだか。。。悪いんだか。。。(汗)


それからのことは。。。
痛みの記憶しかない

本来、全身麻酔で行う手術
しかも、予定外の緊急切除

麻酔も。。。完璧にというわけにはいかなかったらしい

麻酔科の先生に

「すみません。。。痛いんですけど。。。」

手術中、なんどもなんども訴えた
なんともうるさい患者だったと思う

結局。。。それから1時間半
私は卵巣のう腫の切除手術を受けていた

可哀そうだったのは
だんな様である

朝、個人病院へ私を送り
仕事に出かけて行った

仕事が終わる頃には
我が子と対面できるかな。。。
と思っていたに違いない

なのに。。。急に
大学病院へ救急搬送されたと
電話で聞かされ
駆けつけてみれば、帝王切開

それだけだってびっくりなのに。。。
娘は早々と出てきたが
そのあとすぐに出てくるはずの私が
いつまでたっても出てこない

それから、1時間半

何の説明もなく、だんな様はただただ
手術の終わるのを待っていた

そして、手術が終わった直後
執刀医の先生に呼ばれたそうだ


「これが、切除した卵巣のう腫です。」

そう言って、娘とほぼ同時に私から産まれた?
テニスボールより少し大きな腫瘍を見せられた

ちなみに、だんな様は血を見るのが嫌い
テレビで手術場面など流れようもんなら
すぐにチャンネルを変えるタイプである
かなり、ビビったに違いない

「じゃあ、ちょっと切ってみますね。」

そんなだんな様の気持ちをよそに
先生はその腫瘍にメスを入れた

中からは。。。髪の毛の束と歯のかけらのようなもの。。。

私も後から知ったんだけど。。。
こういう腫瘍は、よくあるらしい。。。

でも、そんな事を知るはずもないだんな様
そして、悪いことに。。。
だんな様は、美容師
私は、ずっと歯科医院勤務

髪の毛と。。。歯???

これは、まちがいなく。。。


たたりだぁ!!!

次の日。。。朝早く会いにきてくれただんな様に
この話を聞いた時は。。。思わず吹き出した

だって、たたりだと思った瞬間のだんな様の顔を
想像しちゃったんだもん。。。

笑うとまだ。。
傷口が思い切り痛くてさ
涙が出そうになった
でも、なんとかこらえる

たたりの話をしたあと。。。
だんな様がこう言った

「手術室からさ
 お前がちっとも出てこなくてさ
 死んじゃったかと思ったよ。。。
 お願いです。。。助けてください。。。って
 何度も何度もつぶやいちゃった
 あんなに真剣に祈ったのは
 生れて初めてだったな。。。」


なんだか
今度は本当に涙が出てきた

痛くてじゃないよ。。。

嬉しくて泣いたんだ。。。
そんなに祈ってくれてたんだなぁ。。。ってさ

なにはともあれ

こうして、私は母になった

大変な出産ではあったけれど
今。。。娘が大きくなって
笑った顔など見ていると
どんな痛みもどんな苦労も

たいしたことないな。。。

と思えてくる

だって、あの出産と
そして、あのたたり?を乗り越えたからこそ

こんなに幸せな今があるのだから。。。(^^)v



にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村


人気ブログランキングへ


nice!(1)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

胃カメラ、飲んでみませんか? [エッセイ]

数年前。。。
生まれて初めて、胃カメラ検査を受けました。
あの頃、胃がめちゃくちゃ痛くなって
そういうことになりました。

今日は、その胃カメラ体験を載せようと思います。

うん、、、
最近、またちょっと。。。胃が痛くて
胃薬を探していたら
思い出しました。。。
あの時のこと。

思い出したら、ちょっと笑えたので。。。
胃痛には、笑いがよく効く。。。フフッ

みなさまにも。。。
ドタバタ胃カメラ体験を。。。
聞いていただきたくなりました。



ちょっと長いんですが
時間のある方は。。。
よろしくお付き合いくださいませ。
m(_ _)m

なお、現在の胃痛はこのころに比べたら
ほんとに軽いものなんで
御心配には及びません。(^_^)v

楽しんでいただけたら、幸いです。

hosi_ss.gifhosi_ss.gif

「一つだけ言っておく。。。
苦しすぎて、涙が出るから
大きめのタオルを持っていけ。。。」


……。(;゚д゚)ェ..


「あともうひとつ。。。
 苦しいからって、暴れちゃダメだぞ。
 もっと、あぶない。
 
 まぁ、あんな大きいものが、
 無理矢理押し込まれるんだから
 痛いのが当たり前だ。。。
 あきらめろ。。。」



・・・・・・・・・・・・・・・。(ノ_-;)ハア…



「オレは。。。検査中に
 こんな苦しいなら。。。。
 死んだ方がマシだと思った。。。
 でも、感じ方は人それぞれだからな。。。
 まぁ、がんばりなさい。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

胃カメラ検査前日。。。
アドバイスと称して
どう考えても脅しとしか思えない。。。
有難い?言葉の数々を、だんな様からいただいていた。

胃カメラで。。。
ずいぶんと痛い目にあっているだんな様は
私が胃カメラを飲むことを知って
口を挟まずにはいられないらしい。。。

励ましてるつもりなんだろうか???

でも、余計落ち込むんですけど。。。

「検査自体はな。。。
 10分くらいで終わるらしい。
 10分なんて、すぐだと思うだろ。。。
 ところが、検査をされている間は
 その10分が。。。
 永遠と感じるほど。。。長い。」

・・・・・・・・・・永遠って???(^_^メ)ピクピク

。。。そんなぁ。。。((+_+))


過去を思い出しては。。。
ポツン。。。ポツンと。。。
決して楽しくは無い体験談を話してくれる。

だんな様にとって。。。胃カメラは。。。
本当につらいものだったらしい。

でも、そんなこと検査前日に言われる
私の身にもなってほしい。

ほとんど。。。拷問。。。

「その話。。。やめてくれる???
 検査、コワくなるし。。。
 脅されているようにしか、、、
 思えないから。」

私がそういうと
だんな様は、申し訳無さそうに。。。こういった。


「ごめんな。。。脅かすつもりではなかったんだ。
 ただ、覚悟だけはしていったほうがいいと思って。。。
 思った以上にハードだから。。。」


・・・・・・・・・・・まだ言うか。。。

「覚悟は出来たから。。。もういいよ。」

少し、切れ気味の私。。。

「わかった。。。もう何も言わない。。。」


そういった後。。。
本当に、切なく。。。悲しそうな目で。。。
私を見つめるだんな様。。。

そして、一言。。。

「かわいそうに。。。」

だから!!!

その哀れんだ瞳で見るのも。。。
やめてくれる???


翌日は胃カメラ。。。
もう。。。テンション下がりまくりだ。。。

落ち込んでいると。。。
思い出したようにだんな様が言う。。。



「あっ。。。大き目のタオル。。。
 もっていったほうがいいぞ。
 これは、たんなるアドバイスだ。。。
 なんに必要かは。。。
 もう言わないから。。。」

その理由は。。。
さっき。。。聞いたよ。。。


たぶん。。。
悪気は無いんだと思う。

だんな様は、心配のあまり。。。
同じ事を何度も言う。。

・・・・・・・・ありがためいわくである。。。


hana02.gifhana02.gif

そして、翌日。。。
いよいよ胃カメラ検査!!!

紙コップ一杯の。。。
なにやらわからない液体を飲まされたあと。。。

のどの麻酔と称して?

キシロカイン(ゼリータイプ)を口の中に入れられた。。。(スプーン一杯)

「これ、5分くらいノドのところに
 溜めといてくださいね♪」

っと。。。にっこり笑う看護師さん。。。

ノドに。。。ためとけって。。。


飲んじゃうよ!!! 
出来ないよ!!! 
無理だよ!!! 



……と言いたかったが。。。

すでに、口の中にキシロカインが入っており。。。
何も喋る事ができない。。。

・・・・・・・・・・・・。。。

仕方の無いので。。。
頑張ってみた。

5分。。。長かった。。。(T_T)

でも、何とかクリア。。。
舌まで。。。れろれろに痺れている。

ほぉ~。。。

こんなに効くんだ。。。表面麻酔。。。
などと感心していると。。。

次に。。。

「鎮静剤。。。点滴しますか???」

と聞かれた。

この病院は、希望すれば。。。
鎮静剤の点滴を検査中。。。してくれる。

「もちらん。。。おねろいしらす!!!
 眠っちゃっれもいいれす。」

すでに、舌がもつれている私。。。
なんか、おかしな言葉になっている。。。

恥ずかしい。。。

看護師さんは。。。
にっこり笑いながら。。。

……っていうか。。。
結構派手に。。。笑いながら。。。

「お車じゃないですか?」

と聞いてきた。

やっぱ。。。笑われてる。。。
まっいいか。。。

「はい。。。ペーパーれす!!!」

ブッ。。。と吹き出す看護師さん。。。

しまった。。。
また、余計な事を言ってしまった。。。


ペーパーがどうかは。。。
今は関係ないことだった。。。

「それなら、大丈夫ですね。」

笑いながら、看護師さん。。。
次の工程へ作業をすすめる。

「ここに横になってくださいね。。。
 点滴しますよ。。。」

言われたままに、ベッドに横になる。
ここまで来れば。。。まな板の上の鯉。。。

ならぬ。。。まな板の上に。。。
ペーパードライバーである。。。

ふと気付くと。。。
点滴の針を刺そうとした。。。看護師さん。

ちょっと慌てた調子になっていた。

「血管。。。出ませんね。。。
 ちょっと、叩いていいですか?」

私の血管は。。。探しづらいと。。。
採血の時も看護師さんに。。。
さんざん。。。言われた。

いつものこと。。。

「いつも、言われるんれす。。。
 ほそくて。。。もろくれ。。。
 とりにくい。。。っれ」
 
相変わらず、変わった日本語をつかう。。。
舌の痺れた私の腕を。。。

看護師さんは。。。最初は優しく。。。
最後には、力いっぱい叩いていた。。。

……あの。。。そこは痺れてないんで。。。
痛いんですけど。。。

心の中で、小さく抗議していた。。。

hana02.gifhana02.gif



そして、いざ。。。胃カメラへ。。。

「横向きに寝てくださいね!!!」

看護師さんに言われるまま。。。
横向きになる私。

鎮静剤も入り。。。
少しは。。。ボーっとしてくるかなぁ。。。
と思っていたけど。。。

ぜんぜん、変わらない。
これでは。。。苦しいのでは???

前日、さんざんだんな様に脅されていた?私。

一抹の不安がよぎる。

「はい。。。お口をあげてください。」

看護師さんが。。。
何かをかませようとする。。。

ここで、問題発生。。。


私は、顎関節症があり。。。
大きな口は開けられない。

ツーフィンガー。。。(指、2本分)。。。入らない。。。

「あれ。。。開かないですか???」

困り顔の。。。看護師さん。

「顎をはずせば。。。なんろか。。。」

……と。。。私。

「えっ!!!顎。。。はずれるんですか???」

看護師さんは驚くし。。。
お医者さんは。。。笑うし。。。

おいおい。。。私は患者さん。。。
そんなに、笑わないで。。。おくれ。。。


顎関節症歴が長いので。。。
大きく口を開けなければならない時。。。

たとえば、歯科治療の時などは。。。
自分で、片方の開かない方の関節を
はずす事が出来るようになった。

もちろん、簡単に戻せるけれど。。。

下手をすると、それからしばらく。。。
顎関節症が悪化することがあるので。。。
あまりやりたくない。


でも、こんな場合は。。。仕方が無い。


とりあえず、自分で。。。顎をはずし。。。
そのバイトブロック?を口にくわえた。

いよいよ。。。胃カメラ。。。
緊張の瞬間。

スルスルスル。。。

……えっ。。。

意外にも。。。何の苦痛も無い。
舌はすでに。。。感覚を失い。。。
嘔吐反射も出ない。。。

ラッキー!!!


それからは。。。もう嬉しくて嬉しくて。。。
検査の間ずっと。。。頭の中ではずっと。。。

「radwimps」の曲が流れていた。。。
(あの頃の。。。マイブームだったので……。


とりあえず、検査を終え。。。
結果は後日。。。ということになった。

「鎮静剤をうっているので。。。
 しばらく、そこのベッドでやすんでください。。。」

指し示されたベッドに、横になる。

なぁ~んだ。。。たいした事無いじゃない!!!

そう思った瞬間。。。
安心したのか。。。鎮静剤が効いてきた。

覚ますどころか。。。爆睡。。。


「大丈夫ですかぁ~。。。
 起きられますかぁ~。。。」

看護師さんの声で。。。ようやく目覚めた。。。


「あっ。。。らいじょうぶれす!!!」

まだ、舌は痺れている。。。

看護師さんは、一枚の紙を渡してきた。
今日一日の注意事項が書かれた紙だった。。。

「鎮静剤。。。さめましたか???
 この文字。。。読めますか???
 しばらく、ものが二重に見えたりすることが
 あるんですけど。。。」

寝起きで、ボケボケの私。。。
ここでもまた、いらんことを言ってしまった。。。

「最近、老眼がはじまっららしくっれ
 近くの文字は。。。ぼやけちゃうのれ。。。」

お医者さんと看護師さん。。。
同時に。。。大爆笑!!!

ヾ(T∇T)ノ彡☆ギャハハ!!バンバン!!

・・・・・・・・・・・・・・最後まで・・・・・・


検査室は。。。笑顔に包まれていた。。。
その笑顔を提供した私は。。。

ずっとずっと。。。コワくて。。。
必死。。。だったんだけど。。。



と。。。とにかく。。。


私の胃カメラは。。。無事終了。。。

帰宅後。。。
ちゃんと、喋られるようになったし。。。
問題なし。。。

後日、胃潰瘍との診断を受け
薬で治した。。。
ついでに、ピロリ菌の除菌も完了。。。

だんな様は、私の胃カメラ体験談を聞いて
ちょっと、羨ましそうにこう言った

「平気な人もいるんだね。」

いるんですよ!!! クスクス(´艸`o)゚.+:
鈍感であることに感謝することは
滅多にないことなのだけれど

この時ばかりは
自分の鈍感さが愛おしかった。(^w^)ぷぷぷ・・・


これから、胃カメラを!!!
という方へ。。。

人それぞれみたいだけど。。。
私は。。。意外と。。。大丈夫だったよ。

だんな様に。。。
あれだけ、脅されたぶん
余計。。。楽に思えたのかもしれないけど。。。

そう考えると。。。だんな様のアドバイスは。。。
とっても役にたったのかも!!!

だんな様には、あらためて。。。
感謝♪しないとね。

hana02.gifhana02.gif

長いのに。。。最後まで、読んでくださって。。。
ありがとうございました!!!

健康第一。
本当にそう思います。
でも、いざ不調になったら
検査、頑張って受けましょう♪

怖かったり、嫌だったり
確かにするけれど。。。
胃の調子の悪い方。。。
まずは、どうでしょう。。。

胃カメラ、飲んでみませんか?

私のように、案外平気かもしれないし。。。
まぁ。。。そればかりは
神のみぞ知る。。。ってとこですけど。(^_^)v


にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ




nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

伝説のペーパードライバー [エッセイ]

ブログともだちのリンさんに
教習所のお話をぜひ。。。?
というリクエストがあったので

ちょっと書いてみました。


あの。。。これ。。。実話です。
よろしければ、お読みくださいませ。



hosi_ss.gifhosi_ss.gif



『伝説のペーパードライバー』

久々に。。。近所の人に言われた。。。

「車、運転しないの???」

確かに、このド田舎に住んでいて

車を運転しないっていうのは。。。
不可解に思われても仕方が無い。

しかも、私はゴールド免許証の保持者。。。

さらに。。。マニュアルも運転できる。。。
普通免許を持っている。

ただひとつ、問題があるとすれば、

免許はあるが、技術はない。

そんな私を、、、ペーパードライバーと人は呼ぶ。


思えば、数々の伝説を。。。教習所に残した。

中でも、一番記憶に残っているのは。。。
路上。。。の時の失敗かなぁ~。

えっ???

聞きたい???

う~ん。。。

じゃあ、ちょっとだけ。。。


私の苦い苦い教習所の想い出
話しちゃいましょっか。クスクス(´艸`o)゚.+:

「路上教習」
私はこれが苦手だった。

だって、視界が広い。

タコメーターを見ていると
信号が目に入らず

信号を気にしていると
自分が今、どのくらいの速度で走っているのか
把握できなかった。

あの日も、そう。。。
緊張に顔をこわばらせながら走っていた。

一般道路を教官と二人
恐怖のドライブだ。

教習コースには踏切があった。

一旦停止。。。

そして、安全を確認した後
ゆっくりと踏切に進入していく。

よしよし。。。
大丈夫

そう思ったその時だった。

なんと、踏切の真ん中で
私の車がエンストをおこし。。た。

えっ?うっそぉ!!!

それだけだって、パニックなのに

こともあろうに。。。
私が踏切の真ん中にいるにもかかわらず。。。

無情にも踏切が。。。なり始めた。

やだっ
マジっ?
どうしよう!!!

心臓は、未だかつてないほど激しいリズムを刻んでいた。

エンジンが止まったら。。。
かけ直す。

この当たり前でかつ常識的な行為がひどく難しかった。

そう。。。

慌てた私は、エンジンひとつ
まともにかけ直せなかったんだ。

ただでさえ。。。想像力のたくましい。。。
いや。。。妄想力の強すぎる私の頭の中は

当然。。。(T_T)。。。ってなことを考えてしまった。

考えている場合ではなかった。
エンジンをかけ直す場合だった。

今ならわかる。。。

でもあの時。。。
死の恐怖を。。。。
全身で感じてしまっていた。

そうなると、もう駄目。。。
とるべき方法は、たった一つしか思い浮かばない。

次の瞬間。。。
私は迷うことなく、命欲しさに教習車を捨てて
ひとりで外へ逃げようとしたのだ。

だって、怖かったんだもん!!!

教官が、

「どこへいくんだぁ!!!ばかやろう!!!」

と叫びながら、私を押さえにかかる。

「だって、電車がぁ~・・・」

と泣き出す私。

「慌てなくていいから、エンジンをかけろ。。。なっ。。。」

さっきの怒号とはうってかわって。。。
今度は、優しい声を出す教官。

「大丈夫だから、ゆっくりやってみろ。
 電車はまだ来ないから。。。
 なっ。。。できるだろ。」

この教官の車には
それまで何度か乗ったことがあった。

だが、こんな優しい声の出る人だとは思ってもみなかった。

その声と裏腹に
教官の両腕は。。。
私の腕をがっちりつかんでいた。

逃げられない。。。

仕方がないので、、、
もう一度だけ。。。エンジンをかけ直す。。。

やった、かかった!!!

今度はエンストしないように慎重に。。。発進!

踏切の遮断機に車が少しぶつかったけど
電車にぶつかるよりはマシ。


危機一髪。。。助かった♪( ̄ー ̄; ヒヤリ

。。。そのあとは、もう思い出したくないほど。。。


怒られた。

あの優しい声を出していた教官が
鬼に変わった。。。

……あたりまえだが。。。くるま.png


私の苦い苦い想い出である。

免許をとって、何年かして。。。
私の通った教習所に行っている後輩と話をした。

「なんだか、今日。。。教習所で聞いたんですけど
 何年か前、踏切の途中でエンスト起こして
 車を捨てて逃げようとした生徒がいたらしいですよ。
 いるんですね。そんな人。。。あはははっ。」


(;゚д゚)ェ..

もしかして、私?

あの教官、喋ったな。。。

そして、私は。。。
伝説になった。(笑)
 

hosi_ss.gifhosi_ss.gif


そんな私でも、なんとか免許がとれてしまう。。。

この国の国家資格制度は。。。
おかしくはないだろうか???

大きな疑問を胸に秘めつつ。。。
今も自主的に、、、車の運転をやめています。

私のそんな逸話の数々を聞かされているだんな様は

私に、「運転しろ!!!」とは言いません。

私も、運転しようとは思いません。

これも世のため人のため。。。さらには。。。



この国のため。。。
って、大げさか……)))))))))))( ̄ー ̄;)/



にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ





nice!(3)  コメント(12)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

そういえば。。。 [エッセイ]

そういえば、小学校の頃

「毎日、日記をつけてみなさい!!!」

・・・・・と親に言われ。。。
仕方なく、書いていたことがある。
渡された日記帳は。。。
毎日書くタイプのもので。。。
日付がすでに入っている。

昔から、書くべきところには。。。
何か書かないと気がすまない。。。性分。
でも、これといって書くことが無い。

困り果てた。。。

そこで毎日。。。

「今日も一日。。。楽しかったです。」

それだけ、書いた。
次の日も、そのまた次の日も。。。
綴られているのは。。。この言葉のみ。。。
1年間。。。とうとうこの言葉以外は書かなかった。

ふざけた日記だ。。。

そもそも、日記と呼べるのか???

それでも、その文字の書き方で
わずかながら、その日の気分が微妙に。。。
感じ取れたりする。

やる気のない文字の日。。。

きっと、遊びつかれて。。。
やっと書いた一行。

やけに丁寧な文字の日。。。

たぶん、きれいな字に憧れて。。。
慎重に書いた一行。。。


震えた文字の一行。。。


これは。。。

そっか。。。


じぃちゃんの。。。死んだ日。。。

「今日も一日。。。楽しかったです。」お茶飲みじぃちゃん.gif


そんな自分の文字を見て。。。
泣けてきた。。。


にほんブログ村 ポエムブログ 心の詩へ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ




nice!(3)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。